【定期テストのポイント】まずは作品データが問われるかも。その他にも助動詞、形容詞、形容動詞なども問われそうな語句がチラホラ!!
『大鏡』の冒頭に当たるお話ですので、まずは【大鏡】そのものについての問題が出ると思います。
『大鏡』は紀伝体の歴史物語で、平安後期に書かれました(作者不詳)。『今鏡』『水鏡』『増鏡』を合わせて『鏡物(かがみもの)』や『四鏡(しきょう)』と呼ばれています。
文徳(もんとく)天皇(850年)から後一条(ごいちじょう)天皇(1025年)までの歴史を帝紀として、また、その後列伝として藤原摂関家の人々について様々なエピソードが、二人の老人と若侍の会話を通して描かれています。ちなみに、四鏡の成立順は「だいこんみずまし(大鏡・今鏡・水鏡・増鏡)」という語呂合わせで覚えるのも有名です。
登場人物である二人の老人、大宅世継(190歳)と夏山繁樹(180歳)はもちろんのこと、特に『入道殿下』が誰か、などの内容理解に関する問題も問われると思います。(藤原道長です。)
そして、文法的には助動詞『まほし』『めり』『けむ』などのそこまで頻出しないものが入っていることから、問われる可能性を想定した方がいいと思います。それに、終助詞『ばや』も登場するので、願望の形が問われるかもしれません。
- 助動詞『まほし』未然形接続…~したい、~してほしい
- 助動詞『たし』連用形接続…~したい、~してほしい(現在の「~したい」の語源)
- 終助詞『ばや』未然形接続…~したい
- 終助詞『なむ』未然形接続…~してほしい
それに加えて、形容詞『こよなう』はウ音便になっているため、音便について授業されている場合はそれも問われる可能性があります。形容動詞『うたてげなり』などは単語の意味が、『今ぞ心やすく黄泉路もまかるべき』なんかは現代語訳が問われそう。
漢字の読みも『黄泉路』『対面』なんかが要注意ですね。さらに敬語表現は定期試験に頻出ですので敬意の方向などは絶対チェックしておきましょう。
【あらすじ】二人が話しているだけの展開であまり動きがないため難しいかも…。
- 作品ジャンル:歴史物語
- 成立年代:平安時代後期
- 作者:未詳
これより前に書かれた『栄花物語』のような道長賛美がなく、複数の視点から権力をめぐる政治的人物像が描かれている。歴史物語の最高峰とされている。
「今鏡」「水鏡」「増鏡」と合わせて「四鏡」と呼ばれている。登場人物は大宅世継、夏山繁樹、若侍の3人で対話形式で文徳天皇から後一条天皇までの170年間、藤原摂関家全盛時代の歴史が描かれる。
なんか爺様二人が楽しそうに喋ってるのが微笑ましいんですけど、二人の年齢を知ると度肝を抜かれちゃいますよね。ここまでがこの単元のテンプレ反応です。
藤原摂関家を中心に、と言われていますが、高校古文で習う単元では基本藤原道長推しの話となっています。
今後も『弓争い(競射)』や『肝だめし(道長の豪胆)』を読めば怖いもの知らずでイケイケな道長様スゲェェェってなること間違いなし。
今作はまだほとんど道長様は登場せず、爺様二人の昔話で、個人的にはこの話も面白いと思うのですが…。
世継と繁樹の年齢はこの授業をするときの先生の鉄板ネタとなります(笑)
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