徒然草【花は盛りに】~花は盛りに、月はくまなきを~700年も前の兼好法師の考えが現代の日本人の美意識にも通じるロマン。

徒然草『花は盛りに』イラスト
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【定期テストのポイント】助詞が問われる可能性が高い文章。「もがな」「かは」「で」などきちんと覚えてテストに臨もう。

まずは漢字の読みからですが、「詞書」や「梢」など、読みづらい漢字はチェックしておきましょう。
単語の意味も問われるかもしれませんので、パッと見て意味が頭に浮かばない単語(例えば「くまなし」「あだなり」など)はチェックが必要です。副詞などはなんとなく意味は分かるけど、言葉にしろって言われると…っていうことがよくあります。(例えば「ひとへに」など)
もちろん形容詞、形容動詞の活用等を先生が説明している場合はきちんと覚えておく必要があります。

続いては助動詞です。「に」は完了の「ぬ」の連用形以外にも、助詞の「に」がありますので識別には注意が必要です。苦手な人は暗記しておくのもありかと思います。その他完了・存続の「たり」「り」、推量の「む」などもたくさん意味がある中でどれが正しいのかを確認しておきましょう。「めり」も頻出するわけではないので狙われるかもしれません。

確認の際にはヒント無しで自分で識別できるかどうかが重要です。
サラッとノートや教科書を見てテストに臨んで大失敗した経験はみんなあると思います。もちろん自分も学生時代よく失敗しました(^^;

また、助詞についても出題されそうです。
例えば、「さはることありてまからで」の「で」は直前の動詞「まかる」が未然形になっていますので、逆接の接続助詞。「~しないで」と訳します。ひょっとするとこの部分などは現代語訳せよ、と言われるかも…。

また、終助詞の「もがな」や「かは」なども出てきますので単なる格助詞以外は覚えてもいいと思います。受験時は識別しなければなりませんが、こういう時に暗記しておくと、識別の助けになることも多いです。

係り結び「こそ」や音便ももちろんチェックが必要です。
結構長い文章ですので、勉強するのは大変ですが、逆に浅く広くとなる可能性もありますので、基本の文法事項を中心に勉強しておくといいと思います。

それから、この話は吉田兼好の思想が中心ですので、「徒然草」という作品自体についても問われる可能性があります。このサイトでも挙げてありますが、各自の便覧や資料集の該当箇所をしっかり見ておきましょう。

【作品データと内容】作者の兼好の考えの詰まった内容で意味が分かれば今にも通じる感情がたくさんあって、気づきの多い作品だと思います。

徒然草とは?
  • 作品ジャンル:随筆
  • 成立年代:1331年以前(鎌倉時代後期)
  • 作者:吉田兼好(兼好法師、兼好、卜部兼好)

三大随筆の一つで清少納言【枕草子】、鴨長明【方丈記】と並ぶ日本を代表する随筆。243段から成り、仏教的『無常観』や人間の情、美意識などが述べられている。

「桜は散ってしまって、満開を想像するのがいい。」「果たして月は満月だけを褒めるのか?」など現代の日本人の美意識にも通じる吉田兼好の考えを知ると感慨深いものがあります。
「無常観」が徒然草の基本思想の一つではありますが、古今東西の美についての考え方も入試問題の主要テーマになっていますので、教養としても受験勉強の一環としても内容をよく読んでおくことをおすすめします。
また、恋愛に関しても言及しており、高校生だと面白いのではないでしょうか?

今の日本人にも通じる考えがあったりするのが面白いんだよな‼

【花は盛りに】授業ノートはこちらです。画像とPDFの好きな方をご覧ください。

『花は盛りに』は様々な教科書に掲載されている題材ですので、漢字などに違いがある場合があります。内容は同じです。当サイトの原文は第一学習社に合わせて作っています。

徒然草『花は盛りに』品詞分解と現代語訳1
徒然草『花は盛りに』品詞分解と現代語訳1
徒然草『花は盛りに』品詞分解と現代語訳2
徒然草『花は盛りに』品詞分解と現代語訳2
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この記事を書いた人

塾長&塾講師として教えること15年を越えました。 古文を教える傍ら、生徒の持ってくる過去問を精査してよく出題されるポイントなどをまとめてみました。

また、このサイトのイラストは、イラストレーターの町屋ちよさんに依頼して描いていただいたものです。当サイト以外での使用はお控えください。

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